満タン後の「ちょい足し給油」なぜダメなの? 知らずにやっていた「セルフ式ガソリンスタンド」での“NG行為”! “給油する時の注意点”を元警察官が解説!

うっかりやりがちなセルフ給油でのNG行為も…

 最近は自分でクルマに給油するセルフ式のガソリンスタンドが増加しており、中にはヒヤッとする方法で給油する人が散見されます。

 ではセルフで給油をする際、一体どのような点に注意すべきなのでしょうか。

給油のイメージ(画像:PIXTA)

【画像】「ええぇぇ…!」 これが給油口の中身です! 意外な構造を画像で見る!(25枚)

 一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターが公表する「セルフSS出店状況調査結果」によると、2024年3月末現在、セルフ式のガソリンスタンドは全国で1万829店舗あり、前回調査(2023年3月末)から108店舗増えています。

 加えて、すべてのガソリンスタンドに占める割合も39.5%で前回調査から1.2ポイント上昇し、年々セルフ化が進んでいるといえます。

 一般的にセルフ式ガソリンスタンドは、「ガソリン価格がフルサービス式と比べて安い」、「店員からタイヤ・オイル交換といった営業を受けにくい」、「営業時間が長い傾向にある」などのメリットがあり、それによって利用者が増えていると考えられます。

 しかしセルフ式ガソリンスタンドにおいては当然、給油作業をすべてユーザー自身でおこなう必要があり、それゆえに危険な方法で給油してしまう事例も少なくありません。

 では、一体どのような点に注意すれば良いのでしょうか。

 東京消防庁のウェブサイト「セルフ式ガソリンスタンドを安全に利用するために」は、自分で給油をする際、次のような事項に留意するよう呼びかけています。

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1 エンジンを停止すること

2 静電気除去シートに触れてから給油を始めること

3 正しい操作で給油すること

4 注ぎ足し給油(継ぎ足し給油)をしないこと

5 給油キャップの置き忘れ・閉め忘れをしないこと

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 大前提として、ガソリンは引火点がマイナス40度以下と非常に低いため大量の可燃性蒸気が発生しやすく、静電気のようなわずかな火花でも引火するという特性があります。

 まず上記1に関しては、エンジンをかけたまま給油をおこなうと、ガソリンから発生した可燃性蒸気に静電気が引火して火災につながる危険性が高まることから、給油の際には必ずエンジンを停止しなければなりません。

 上記2も同様に、体に溜まった静電気がガソリンの可燃性蒸気に引火することを防ぐのに必要な行為です。

 セルフ式ガソリンスタンドにおいては「静電気除去シートに触れてから燃料油キャップを開け、給油を開始してください」といったアナウンスが流れるため、セルフ式に慣れていない人はアナウンスをよく聞いて給油することが重要です。

 次に、上記3の正しい操作とは給油ノズルを給油口の奥まで差し込み、レバーをしっかり握って給油をおこなうことをいいます。

 給油ノズルの先には検知口と呼ばれる小さな穴が開いており、これによって満タンを検知して自動で給油が止まる仕組みですが、給油ノズルの差し込みが浅いと満タンを検知できず、ガソリンが吹きこぼれてしまうおそれがあります。

 給油の際には、ノズルを確実に差し込むことを意識しましょう。

 また上記4の「継ぎ足し給油」にも要注意です。

 継ぎ足し給油とは、燃料が満タンになって給油がストップしたにもかかわらず、さらに燃料を入れようとする行為のことをいいます。

 意外とやってしまいがちな行為ですが、これもガソリンなどの燃料が外に吹きこぼれる原因となるため、給油がストップした後は追加で燃料を入れないことが大切です。

 そして上記5にあるように、給油キャップを閉め忘れると、クルマの給油口から可燃性蒸気が漏れ、引火につながる危険が想定されます。

 自動車用品店やネットショップなどでは給油キャップの置き忘れ・閉め忘れ防止グッズが販売されており、これらを上手く活用してみると良いかもしれません。

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 そのほかSNS上では「たまにタバコ吸いながら給油してる人いるけど、死ぬ気なのかなと思ってる」、「昔ガソリンスタンドでバイトしてた時、セルフ給油後に突然ライター点火して火だるまになった方がいました」など、ガソリンスタンドで火気を取り扱う危険性を指摘する声も多く上がっています。

 ガソリンが非常に引火しやすい物質であることを、すべてのユーザーが改めて認識すべきといえるでしょう。

2025-07-02T22:31:22Z